お店のオープンと同時に細々続けているブログです。
コロナ禍の今、少しでも一緒にフランスに触れられたら☆
「絵画deフランス」
【ベルナール ビュフェ】
文化村ミュージアム@回顧展より。
表紙の絵は「ピエロの顔」
ビュフェ自身、ピエロのメイクをした事もあるそうで
本人の自画像とも言えるであろう作品だそう。
厳しい表情で正視。
本心を隠して、自身をコントロールする
「ピエロ」はキリストと同じく
彼が多く描いたモチーフ。
「いつの時代も道化じみていますが、
ピエロは変装したり滑稽にすることによって、
自分を思いのままにすることができるのです。つまり自由なのです…」
ベルナールビュフェ@文化村HPより
「ピエロの顔」1961年の作品。
ビュフェが世間からの注目を浴び、
生活の安定、と同時に気持ちが
高揚する様子が、色彩や厚塗りなどの
アクションペインティングによって
作風に現れていた頃。
ビュフェほど、年代と共に表現の多様性を
楽しめる画はそう多くはないでしょう。
ナチスの占領より解放されたフランス。
第二次世界大戦後のフランス。
戦後の喪失感や虚無感。
なかなか光が射さない不安。
それがベルナールビュフェの原点。
そんな彼の原点を物語るかのように、
ミュージアムの入り口エリアには
暗い色彩、鋭い線描写の
絵画で埋め尽くされていた。
初期の頃の作品です。
父親から愛をもらえなかった
血の通い乏しい描写
「父と息子」
まるで人物を排除してしまったような風景画
「コンコルド広場」
色彩に変化が訪れたのは
「父と息子」(1945年)から十数年後。
そして8,000点を超えるとまで言われる作品は
彼の生涯をまるで物語るかのように変化し、
批判を浴びながらも自分の道を貫き
描き続けます。
「ドンキホーテと風車」
騎士道を貫いた男の姿なのか。
又は10年後、
自死という形で生涯を閉じた
彼の妄想に陥った郷士なのか。
彼の人生を重ねるかのように描かれた
晩年の大作です。
文化村回顧展では
疫病に翻弄されている現在と
彼の生きた「時代」の共通点をキーワードに
ビュフェ美術館(静岡)所蔵の80作品を展示。
1月24日まで。
何とも美しい顔をした1枚の画に出会った。
「アナベル」
ビュフェの奥様を描いた作品。
線の描写が目立つビュフェの作品ですが、
彼女の顔には線一本なく、
ミュージアムの中で一際輝き、
美しかった。
「人は愛する女性の中に、いつだって何かを発見するものだ」
@ベルナールビュフェ